住まいのメモ帳

高断熱・高気密・換気フィルターなど、
大切な住まいをより快適にするポイントを一級建築士が教えます!

2018.06.28

【断熱×気密×換気】 健康で快適な家つくりに必要なこと③

今回は断熱リフォームをお考えの方に特に注意することをお伝えします。

 

快適な家に重要な3つの性能

・断熱性能・・・建物外の空気の管理

・気密性能・・・建物内の空気の管理

・換気性能・・・外気と内気のやりとり

 

ここまでは、前回の新築と考え方は同様です。

昔の木造住宅では、吉田兼好の「徒然草」で語っていたように「家のつくりは夏をむねとすべし」と

書かれています。これは夏を涼しく過ごすため、家の構造部分を乾燥させて腐朽から守るためなどと考えられます。

確かに、昔の住宅は隙間風が多いことは住んでいると実感できます。

快適な家に重要な3つの性能は、昔の家はほとんど満たしていません。

なぜならそんなこと考えていなかったからです(笑)

リフォームにおいて昔の家に一番重要なのは、気密性能であると思います。

また、施工においても一番難しい工事でもあります。

 

断熱性能はただ、断熱材を厚く入れれば言い訳ではありません。

主に家を大きく、3つの主要な面で考えると

1.屋根・天井

2.壁

3.床

となります。

それぞれの部位では、構造体を形成する骨組みが組まれています。

昔の家ではその骨組みを生かした外装・内装となっており、その構造体の向こうは外であったりします。断熱はその境界をつくることになります。

 

1.屋根・天井

屋根・天井断熱はその建物の構造や室内の利用方法によりどこで断熱・気密ラインをとるか考えます。以下の大まかなイメージ図であるように屋根で断熱を取る場合は、断熱ラインより室内側は内部扱いです。天井で断熱を取る場合は、天井裏は外部扱いです。

 

 

屋根断熱改修の場合

屋根断熱と屋根の部材との間に通気層が取れるかどうかが問題です。①

2階の軒桁と垂木の取り合いで十分な断熱材の厚みが取れるかが問題です。②

 

天井断熱の場合

2階間仕切り壁の気流止めが必要です。③

小屋裏の換気が必要です。④

 

2.壁

壁の断熱は外壁リフォームと兼ねる場合は外断熱に、内装のリフォーム中心なら内側から断熱します。断熱ラインは比較的わかりやすく、外か内であるので施工も意外と容易です。

ただ、壁単体で見ると容易ですが、屋根・天井もしくは床との接合部が重要となります。

その部分は「気流止め」と呼ばれる部位です。③

 

3.床

床の断熱は床下に潜っての作業となります。床下があまり取れない場合は、床面を上げるなどの処置が必要です。床を構成している土台、大引き、垂木の間から壁面を通っていく空気の流れを止めることが重要です。こちらも「気流止め」になります。③また床下は外部扱いとなるため、その空間の換気が必要となります。

 

以上のように、「断熱材を入れたから大丈夫」という取り付けたらOK、屋根・天井と壁と床の断熱ラインをひとつに考えずに局所的な工事でOKなどという「その場限りの」工事にならないように、大工さん、電気屋さん、外装・内装屋さん等、一見自分には関係のないと思われる工事の職人さんにも理解を務め、快適なリフォームにつながると信じています。